2023/02/24 22:22
9 timesではGROUNDWORK LABOR INCの会社史の中で長い間大切に育ててきた貴重な商品をご紹介します。
所謂SHAGGY DOG(シャギードッグ)といわれるニットウエアーのお話です。
シャギードッグを話す前に・・・・シェットランドセーターの話。
シェットランド諸島は、スコットランドの最北端に位置しています。 100の諸島から形成されていて有人島は16ほどです。シェットランド諸島は、複雑な地質、険しい海岸線と低い丘陵が特徴の島々です。1年中強い海風が吹き渡る為に植物が育ちにくく、緑の丘陵が連なる風景には大きな木が見当たりません。過酷な自然環境の中にほぼ野生種に近いかたちで飼育されている人口の10倍の数のシェットランドシープは、英国内でもっとも軽くやわらかい羊毛として知られています。 シェットランド諸島に編み物が伝わったのは中世後半、北欧の海を行き来する漁船や交易船がもたらしたと言われています。その後独自の文化をとおして、シェットランドセーターは世界中で愛されるアイテムになっています。 シェットランド諸島では、500年以上も昔から島の人々が自らの命を守る為に生産し愛用し続けたニットです。SHAGGY DOGもその一つです。シェットランドウールを編み上げたセーターの表面をチーゼルの実(アザミ)で毛羽たせて、毛むくじゃらにさせたセーターを「シャギードッグ」とJ.PRESSの2代目社長のアービン・プレスが名付けたと言われています。アービン・プレスが飼っていた犬が雨に濡れた様を見てそっくりなことからその名が名付けられたと言われています。今ではこれが世界中でシャギードッグニットの代名詞になっています。歴史の中で、シャギードッグニットが確認出来ているのは1950年代からです。勿論、シェットランド島で作られてきて、トラディショナルウェアの定番セーターとして存在しています。着用した歴史がある著名人といえば、ジョン・F・ケネディ、ケリーグラント、ジョージブッシュなどが名を連ねており、アイビー・リーガーなどからも長年にわたり愛されてきました。
シャギードックの特徴はシェットランドの原料とスコットランドの工場でニッティングしていることです。 硬く着づらいイメージのあるシェットランドのセーターを、仕上げにアザミの実で起毛を少し多めにかけて、柔らかく軽いものにしてあります。本来シャギードッグとして起毛をかけたのは寒さに対して少しでも体温を守るための寒風対策としての知恵から生まれています。 色についてはメランジの糸で統一し、起毛させた時に多色の繊維が絡み合ったように見えることを想像して選んでいます。
Ce Forsythはfactry brandとしてGROUNDWORK LABOR INCが独占的に使用するブランド名です。シェットランドウールをふんだんに使い、ハンドフレームでシャギードッグセーターを作るCe Forsyth。ハンドフレームにより、肩周りと脇下がシームレスな仕様となっており、着心地の良さとミニマルな見た目を両立しています。スコットランドの国花であるアザミの実で起毛をかけていた時代と同じ起毛が生まれる特殊な機械をしようすることで、保温力と水濡れに強い毛足を形作っています。